失地王 2014 8 3
シェイクスピアの歴史劇に、「ジョン王(King John)」というものがあります。
フランスと戦って、敗北した結果、広大な領土を失ったことから、
日本では、「失地王」として知られています。
さて、2014年8月2日の産経ニュースWeb版には、このような記事がありました。
「もう少し外交を」遊説先で有権者から苦言を浴びるオバマ大統領
「大統領には、もうちょっと外交政策にも取り組んでもらいたいね。
いろいろやることがあるのは分かっているけど」
ロサンゼルスの有権者は、
他の客と趣味のバスケットボールの話題で盛り上がるオバマ氏を見つめながら、
同行記者に、つぶやいた。
(中略)
アメリカは、ウクライナに限らず「停戦外交」に「ご執心」だが、
これは過去の不法行為を不問に付すことにほかならない。
クリミア半島がロシアに併合されたままでも停戦状態になれば「歓迎」、
中国がパラセル(中国名・西沙)諸島の周辺海域から石油掘削施設を撤収しても「歓迎」。
領土的野心を持つ国々にとっては、これほどありがたい話はない。
(引用、以上)
オバマ政権を見ていると、
シェイクスピアの「ジョン王」という歴史劇を連想してしまうのは、
私だけではないでしょう。
たまには、英語の勉強をしましょう。
ロサンゼルスの有権者は、「ないものねだり」をしているようなものです。
オバマ政権にとって、外交は苦手科目だからです。
これを英語で、「ask for the moon」と言うかもしれません。
「月が欲しい」と懇願されても、なかなか難しいものがあります。
「月」が出たついでに、もうひとつ勉強しましょう。
「月に約束する」(promise the moon)
直訳すると、月に約束するという意味になってしまいますが、
正しくは、恋人から、ないものねだりをされて、
「とても、かなわぬ約束をする」という意味です。
これは、男女の間柄では、よくあることですが、
最近では、政治家と有権者の間柄でも、よくあります。
(参考文献 ジーニアス英和辞典(第4版) 大修館書店)